IBUSHIGIN 山六瓦工業株式会社

成形の匠

プレス成形では、プレスする時の職人の技術だけでは良いものは完成しません。
そこには粘土、瓦の事ことを知り尽くした瓦用金型作りの匠の力が必要です。
新しい製品を請け負う際には、当社の職人と金型を成形する鉄工所で、どんな金型で、どうプレスするのか意見を出し合いながら進めていきます。

金型の匠
【石敏鐵工株式会社】   URL www.ishitoshi.co.jp
約40年前、雪止桟瓦(瓦の上に雪を止めるための取手のようなでっぱりがある瓦)の成形を始めた頃から、瓦を成形する金型や成形するプレスの開発お互いに協力し合い、技術を高めてきました。瓦の事ことを十分に理解し、粘土の特性を研究して、製品になった時に最も理想的な形になるよう金型の中に工夫を凝らしています。
プレスで成形した際、粘土が金型の中でどう伸びていくのかを考えて、金型を作ります。また、乾燥途中の収縮具合やねじれを予測して金型の形の調整を行うことも。
このように金型の中には見えない工夫がつまっているのです。
さらに非接触3次元デジタイザや5軸制御マシニングセンタ、ワイヤーカット放電加工機など最新鋭、高性能な設備をそろえ、金型の成形やメンテナンスもしてもらうことも可能です。最新のデジタル機器と伝統技術、そして職人の勘。それらを効果的に組み合わせることで、難しい問題も解決することができます。
金型の匠 金型の匠 金型の匠
成形する瓦職人
瓦を製造し続ける事100有余年、若い瓦職人たちは、先輩の熟練の技を目で見て、手で触って覚えていきました。
新しい形を目の前にした時、その製品がどこでどんな風に使われるのかを考え、成形するにはどこがポイントになるかを見極めます。
そうしてこれまで培ってきた経験の中から最適な方法を見つけ出し、お客様に提案いたします。
焼き物である瓦は、同じ機械、同じ金型を使っても毎回同じ物ができるとは限りません。荒地の形を調整したり、プレスの仕方を調整したりと、100年受け継いだいぶし銀の職人の技が活かされます。「ためし入れ」をしたり、金ヘラで仕上げたり、職人の技術でお客様の希望通りの形に成形していきます。
また当社では出荷前の選別で出た不良品の原因を製品ごとに情報管理しています。次回の成形で問題を解決する為、職人の経験を活かし口金や金型の細かな調整を行います。
どんな問題でも知恵を出し合い、工夫して解決する。それが職人たちの誇りです。
■粘土について
瓦用粘土は、山土約40%、地元三河の田から採掘された良質な粘土約20%、水約30%、シャモット約4%などをブレンドし、瓦の成形に適した配合粘土になっています。
配合粘土(いぶし瓦用)の化学分析結果(蛍光X線分析)含有率:%
SiO2 Al2O3 Fe2O3 CaO MgO Na2O K2O LOI
63.95 22.95 3.19 0.28 0.55 0.29 2.41 5.60
検査日平成26年3月25日
■焼成について
瓦を銀いぶしの色に仕上げるには、燻化と呼ばれる方法を行います。1100~1200℃という高温で焼成した製品を最終工程で燻化させ、表面に炭素膜を作ります。高温で焼成される間に粘土がひび割れたり、ねじれたりしないよう、窯の中での置き方や温度の管理が肝になります。
最後の燻化の作業が、製品の色合いを左右する重要な工程で窯の中の状態を把握し、温度や空気を管理しながら適切な状態に整えます。
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